せん妄とは、意識がぼんやりし、見当違いなことを話したり、幻覚や錯覚が現れたりする一時的な脳の混乱状態です。
特に高齢者や、終末期の患者さんに多く見られる。
突然の言動の変化に、本人も家族も驚き、不安を感じることがあるが、適切な対応で改善が期待できる症状です!
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せん妄が起こる3つの視点
1. せん妄が起こりやすい土台(準備因子)
• 高齢、認知症、脳血管障害などの脳の病気
• 睡眠不足や身体の弱り
• 薬の副作用、アルコールの多飲
2. せん妄を悪化させる要因(促進因子)
• 不眠、痛み、便秘、尿閉(尿が出にくい)
• 不安、環境の変化(入院・転居・施設入所など)、身体拘束
• 補聴器や眼鏡が合っていないことによる感覚の遮断
3. せん妄を直接引き起こすもの(直接因子)
• 脱水、感染症、発熱
• 手術後や新しい薬への変更
• アルコールや向精神薬の急な中止
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せん妄が起きたとき家族ができること
1. せん妄に対する非薬物療法(まずはここから)
薬に頼る前に、環境と関わり方の工夫でせん妄の軽減が期待できます。
• 昼と夜の区別をつける(昼は明るく、夜は暗く)
• 時計やカレンダーを見える位置に置き、時間と場所の感覚をサポート
• 補聴器、眼鏡、義歯をきちんと使えるようにする
• 痛み・便秘・不眠・発熱などの苦痛を早めに緩和する
• 家族の面会や慣れた物品(写真・衣類)を使って安心感を与える
• 本人の言動を否定せず、落ち着いて対応する
2. せん妄に対する薬物療法(主治医の判断で)
原因が明確で、回復の見込みがある場合(可逆性せん妄)には、
• 原因を取り除く(感染予防・脱水の補正・薬の調整など)
• 状況に応じて、抗精神薬などが使用されることがある
回復が難しい場合(不可逆性せん妄)には、
• 不安や苦痛を和らげることが目標
• 「苦痛や不安をやわらげるための薬」が使われることもある
💡大切なのは、薬に頼るかどうかではなく、本人にとって何が一番穏やかかを考えることです。
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【家族ケアの大切さ】
せん妄は本人だけでなく、家族にも大きなストレスを与える症状です。
「なぜこんなことを言うの?」「もう元に戻らないの?」と不安になるのは当然です。
だからこそ、医療者と家族が連携し、一緒に向き合う姿勢がとても大切です。
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【まとめ】
せん妄と向き合うために
• せん妄は一時的な症状で、回復が見込めることも多い
• 原因は複数が重なっているため、丁寧な観察とケアが必要
• 環境づくりと家族の寄り添いが、改善への大きな力になります!
\困ったら一人で抱え込まずに/
訪問看護師やかかりつけ医に、「最近様子が変わった」と気軽に相談してください。
あなたの「気づき」が、本人の回復への第一歩になります。
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