こんにちは。
終末期ケア専門士・訪問看護師の山口です。
これまでに50人以上の在宅看取りに関わってきた経験から、このブログでは、がんによる痛み(がん性疼痛)と向き合うご本人・ご家族へ、在宅でも安心して実践できるケアについて、わかりやすく発信しています。
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こんなお悩みはありませんか?
• 「がんの痛みを、できるだけ和らげたい」
• 「医療用オピオイドって、在宅で使ってもいいの?」
• 「副作用が心配で、薬に頼るのが怖い…」
こうした不安や疑問に寄り添いながら、
“我慢しすぎない”がんの痛みのケアについて、知っておきたいポイントをお届けします。
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薬の効き方には“個人差”があります!
服薬歴やお酒の習慣が影響することも!
実は、薬の効き方や持続時間には個人差があります。
その理由のひとつが「肝臓の働き」
薬の多くは体内で、肝臓で代謝(分解・処理)されます。
そのため――
• 過去にたくさんの薬を使っていた方
• アルコールをよく飲む習慣がある方
このような方では、薬の効き方が強く出たり、逆に効きにくくなったりすることがあります。
特に、がんの痛みに使う医療用オピオイド(モルヒネ・フェンタニルなど)では、
「効きが遅い」「すぐに切れてしまう」「効きすぎて眠くなりすぎる」など、
“いつもと違う”感覚が出ることもあります。
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ご本人・ご家族ができること
効き方の「ちょっとした変化」に気づいて伝える!
薬の効果や副作用を日々観察することがとても大切。
たとえば:
• 「最近、薬の効きが弱くなった気がする」
• 「効き始めが遅い」「眠気が強すぎる」
• 「痛みの戻りが早くなった」
こうした変化に気づいたら、メモをとって医師や訪問看護師に伝えてください。
その人に合わせたより安全で適切な薬の使い方につながります。
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よくあるご質問(Q&A)
Q:医療用オピオイドって「麻薬」じゃないの?依存が心配…
A:大丈夫です!
適切に使えば、依存の心配はほとんどありません。
医師の指導のもとで正しく使うことで、
痛みをやわらげ、生活の質(QOL)を守るための大切な薬になります。
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Q:副作用が怖くて使いたくない…
A:多くの副作用には予防や対処の方法があります。
たとえば、便秘や吐き気はよくある副作用ですが、予防策・治療法も確立されていて、あらかじめ薬を組み合わせて対応します。
気になることは、一人で抱え込まず医療チームにご相談を。
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Q:自宅でも安全に使えますか?
A:はい、使えます!
訪問看護師や在宅医との連携があれば、
飲み薬・貼り薬・坐薬など、生活スタイルに合わせた方法で安全に使用できます。
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まとめ:がんの痛みは「我慢しなくていい」
痛みを我慢しすぎると、眠れない・動けない・笑えないなど、
その人らしい日常が奪われてしまいます。
がんの痛みをコントロールすることは、心と体を守る第一歩!
私たち訪問看護師や在宅医療チームは、
「がんの痛み」や「薬への不安」に寄り添いながら、穏やかな時間を支えるパートナーです。
どんな小さなことでも、お気軽にご相談ください。
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▼次回予告
→【がんの痛み止めの副作用と対策】レスキューオピオイドの使い方もわかりやすく解説
【この記事はこんな方におすすめです】
• 在宅療養中のがん患者さんや終末期を迎える方
• 痛みのケアや薬の使い方に不安があるご家族
• 緩和ケアや訪問看護に関心のある医療・介護職の方
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