「トータルペイン」のケアの実践方法

終末期ケア専門士の山口です。

ここでは50人以上の在宅看取りをした経験から、学んだことやヒントなどお伝えしていきます!

■ トータルペインのアセスメント(評価・分析)とは?

痛みのケアの第一歩は、「痛みの全体像を評価すること」。

痛みは見た目では分からず、本人の言葉だけが頼り

家族や医療スタッフは、その言葉で、痛みの全体像がわかる。

だからこそ、医療者との信頼関係と、丁寧な対話がとても大切になる。

■ トータルペインを見つめる5つのポイント

ご本人やご家族が、医療スタッフに「痛みを伝えるとき」の参考に!

1. どこが痛い?(痛みの場所)

「どのあたりが痛いですか?」と一緒に確認。

※1ヶ所だけでなく、広がっていることもある。

2. どんなふうに痛む?(痛みの感じ方)

・ズキズキ、ビリビリ、ジンジンなど、どんな表現が合うか?

・うまく言えないときは、身近なたとえを使っても大丈夫。

3. どれくらい痛い?(痛みの強さ)

・0〜10の数字で表現してもらう

・表情の絵(ニコニコ〜涙)などで示してもらう

→ お子さんや高齢の方にも使いやすい方法

4. いつから?どんなふうに変わる?(時間の流れ)

・いつから痛みがあるか?

・朝・夜・動いた後など、時間帯や状況の変化も確認

→ ずっと続くのか、時々ひどくなるのか…痛みのパターンを知るヒントになる

5. なにがきっかけで強くなる?軽くなる?(生活との関係)

・動いたとき?食事中?気持ちが落ち込んだとき?

・逆に、楽になる瞬間があるならそれも大事なヒント

→ この情報から、日常の工夫や薬の使い方につなげられる

■ まとめ:痛みを伝えることは「自分を大切にすること」

「我慢した方がいいのかな」「迷惑をかけたくない」

そう思って、つらい気持ちを心に閉じ込めている方も多いかもしれない。

でも、痛みを伝えることは、自分の体と心を守る大切な行動です。

そして、私たち医療者はその声に寄り添いながら、その人らしい日々のためにできることを考え続けます。

次回予告

→ 【がんの痛みを和らげたい方】WHO方式がん疼痛治療をわかりやすく解説をお伝えします。

【この記事はこんな方におすすめ】

・がん患者や終末期を迎える方

・痛みの伝え方やケアに悩んでいるご家族

・在宅ケア・緩和ケアに関わる方

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