こんにちは。終末期ケア専門士・訪問看護師の山口です。
ここでは50人以上の在宅看取りをした経験から、学んだことやヒントなどお伝えしていきます!
今回は、がんによる痛み(がん性疼痛)と向き合うご本人やご家族のために、自宅でも安心して使える痛み止めの知識やケアの工夫を、わかりやすく発信していきます。
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がんの痛みを和らげるためには、オピオイド(医療用麻薬)を使うことが多い。
しかし、オピオイドの副作用が心配で使えない…?
その不安、正しい知識で軽くなります!
副作用が原因で「薬を自己判断でやめてしまう」ことがよくある。
しかし、薬を自己判断で減らしたり中止してしまうと痛みのコントロールが難しくなってしまう。
だから、副作用にはしっかりと対策があります!
我慢せずに、安心して使っていただくために、今日は副作用の対策と、痛みが強くなったときの「レスキュー・ドーズ」の使い方をご紹介します。
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副作用とその対策
1. 便秘
→ 最もよくある副作用。便秘予防の薬を同時に処方してもらうのが基本。
2. 吐き気・嘔吐
→ 初期に出やすいが、吐き気止めを併用することで多くは軽減される。
3. 眠気・だるさ
→ 使い始めに起こることがあるが、体が慣れるにつれて落ち着くことが多い。
日常生活に支障がある場合は、薬の種類や量の見直しが必要。
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「レスキュー・ドーズ」ってなに?
オピオイドは、定期的に使う薬(定時薬)のほかに、
急に出てくる強い痛み(突出痛)に対応する「レスキュー・ドーズ」という使い方がある。
●こんな痛みの時
• 体を動かしたときの痛み
• 食事や排泄のタイミングで強くなる痛み
● 使い方の例
• 動作の30分前に飲む:「予測できる痛み」には事前に対処できる
• 痛みが強まったタイミングですぐに使う:効き始めるまでの時間に注意
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レスキューの基本ルール
• 定時薬と同じ種類の速効型オピオイドを使用
• 量の目安は、経口薬なら1日量の10~20%、注射薬では1時間あたりの量が基準
※定時薬を増量したときは、レスキューの量も見直すことが大切!
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ご本人・ご家族に伝えたいこと
• 副作用があるからといって、薬を我慢しないでください。つらい痛みを和らげるために、医療者が一緒に調整します。
• レスキューをうまく使うことで、「痛くない時間」を増やせます。
• 「眠気が強い」「便秘がつらい」など、どんなことでも遠慮なく相談してください。
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まとめ:
がんの痛みは、「上手に付き合える時代」です!
オピオイドやレスキューの正しい使い方を知ることで、
がんの痛みは在宅でもしっかりコントロールできます。
大切なのは、我慢しないこと。
そして、あなたに合った方法を一緒に見つけていくことです。
私たち医療チームが、安心して過ごせる日々をサポートします。
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次回予告
→ 【がんの痛みは我慢しなくていい】トータルペインを考慮した心のケアが必要な理由|訪問看護師がわかりやすく解説
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【この記事はこんな方におすすめです】
• がん患者さんや終末期を迎える方
• 痛みのケアに悩んでいるご家族
• 在宅ケア・緩和ケアに関わる医療・介護職の方
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