終末期ケア専門士の山口です。
ここでは50人以上の在宅看取りをした経験から、学んだことやヒントなどお伝えしていきます!
今回お伝えするのは、
「終末期における排便コントロール|便秘・下痢・排便障害への理解と対策」です。
終末期ケアでは、排便コントロールが難しいケースが多い。
そこで、
排便のメカニズムから、便秘・下痢の原因と種類、精神的要因による排便障害まで詳しく解説!
排便メカニズムの理解がケアの第一歩!
排便は、単なる身体機能ではなく、自尊心の維持や快適な最期を支える重要なケアの一つ。
排便のメカニズム
・直腸の容量が150~250mlに達すると便意を自覚。
・便意時、外肛門括約筋(横紋筋)が意識的に締める役割。
・内肛門括約筋は自律的に緩め(弛緩)し、便かガスかを判別。
・骨盤底筋群は腹圧を直腸に伝える支えであり、弱まると排便困難を招く。
加齢や終末期ではこれらの働きが低下し、排便困難や失禁リスクが増加する!
【便秘】終末期に多い3タイプとその特徴
1. 弛緩性便秘
原因:腸の蠕動運動の低下により内容物の移動が遅くなる。
特徴:排便回数が少なく、特に高齢者や活動量の低い患者に多い。
2. 直腸性便秘
原因:直腸瘤や骨盤底筋障害により便がうまく排出できない。
特徴: いきんでも出ない、残便感が主な訴え。
3. 痙攣性便秘
原因:自律神経の過緊張によって下行結腸が強く収縮し、便の通過が阻害される。
特徴:コロコロした便、お腹の張り、便秘と下痢の繰り返しが見られる。
【下痢】急性と慢性の分類・原因
・急性下痢
原因:感染症(細菌・ウイルス)や薬剤性(抗生物質など)の影響により発症。
特徴:小腸粘膜の障害で水分分泌が過剰になり、急激に発症。
・慢性下痢
原因:過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)、
不適切な生活習慣(下剤乱用、過度な飲酒や脂肪摂取)
特徴:1ヶ月以上持続。体力低下や脱水のリスクを伴う。
明日は、「終末期における排便ケアの実際」をお伝えします。
この度は、ブログを読んでいただきありがとうございます。
もし記事が参考になったり、共感していただけたら、ぜひ『フォロー』や『いいね』や『コメント』で教えてもらえると嬉しいです。
皆さんの声が励みになりますので、よろしくお願いします!