【呼吸が苦しいときに】終末期の呼吸困難に対する補助的な薬とその目的とは?

こんにちは。

終末期ケア専門士・訪問看護師の山口です。

これまでに50人以上の方をご自宅で看取ってきた経験から、私は強く感じています。

呼吸が苦しいときの補助的な薬には、それぞれ明確な“目的”があります。

このブログでは、

「息苦しさを少しでも和らげたい」と願うご本人・ご家族のために、

終末期における呼吸困難への補助的な薬とその目的について、わかりやすくご紹介します。

■ 終末期の呼吸困難に対する補助的な薬とその目的

● 抗生物質(抗生剤)

肺炎などの感染症が原因で呼吸が苦しいときに使用されます。

感染による炎症や痰を抑えることで、呼吸がしやすくなります。

目的:感染による呼吸の悪化を防ぎ、呼吸を楽にする

● 気管支拡張薬

COPD(慢性閉塞性肺疾患)や喘息など、

気道が狭くなって呼吸がしづらくなる病気に使用されます。

気管支を広げることで、空気の流れがスムーズになります。

目的:気道を広げ、空気の通りをよくする

副作用:動悸・手のふるえ・ふらつきなどが出ることがある

● 利尿薬

心不全が原因で肺に水分がたまり、呼吸が苦しくなる(肺うっ血)ことがあります。

利尿薬を使って余分な水分を体の外に出すことで、肺の圧迫を軽くします。

目的:肺への水分のたまりを減らし、呼吸を楽にする

副作用:血圧が下がったり、電解質のバランス(カリウムなど)が崩れることがあるため、注意が必要です

● 抗コリン薬(分泌物抑制薬)

終末期(ターミナル期)には、唾液や気道の分泌物が増えて「ゴロゴロ音」がすることがあります。

呼吸の邪魔になることもあるため、分泌を抑える薬が使われることがあります。

目的:唾液や痰の分泌を減らし、呼吸をスムーズにする

副作用:口の渇き・視力のかすみ・排尿困難などが見られることがある

● 吸入療法・去痰剤

痰が粘って出しにくいと、呼吸の邪魔になり苦しさにつながることがあります。

吸入や去痰剤で痰をやわらかくして、出しやすくするサポートを行います。

目的:痰をやわらかくし、呼吸をしやすくする

■ まとめ:呼吸困難へのケアは「苦しさをやわらげるための手段」

終末期医療では、

「治すこと」よりも、「どう楽に過ごすか」が大切になります。

薬や吸入などのケアは、

「その人らしく、少しでも楽に過ごせるようにするため」の手段です

• 「息が少し楽になった」

• 「表情が和らいでホッとした」

そんな変化が、ご本人にもご家族にも大きな支えとなります。

そんな小さな変化が、ご本人にもご家族にも大きな安心感をもたらします。

「何かしてあげたいけど、どうしたらいいかわからない…」

そんなときは、どうか遠慮せず、訪問看護師や医師にご相談ください。

あなたの気持ちに寄り添い、できることを一緒に考えていきます。

次回予告

【酸素療法】ターミナル期(終末期)の呼吸を楽にする「酸素療法」とは?

【この記事はこんな方におすすめです】

• 息苦しさのあるがん患者さんや、終末期(ターミナル期)を迎えているご本人

• ご家族として不安を感じている方

• 在宅医療や緩和ケアに関わる看護師・介護職・医療職の方

最後まで読んでくださってありがとうございます。

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