意思決定支援とは?終末期における大切な選択を支える考え方

終末期に直面したとき、「どのように最期を迎えるか」を決めることは、ご本人やご家族にとって大きな課題です。迷いを減らし、自分らしい選択をするために欠かせないのが「意思決定支援」です。

 意思決定支援とは?

終末期が近づくと、治療やケアの選択肢が増える一方で、「本当にこれでよいのか」と悩む場面も増えます。そこで重要になるのが「意思決定支援(いしけっていしえん)」です。

意思決定支援とは:

• ご本人の気持ちや価値観を大切にしながら、医療者が必要な情報をわかりやすく伝え、選択を支えること

• 単なる説明(インフォームド・コンセント)にとどまらず、「どう伝えるか」「伝えた後の支援」まで含む

• 本人・家族だけでなく、医療者・介護職も含めた全員が納得感をもって関われるようにする支援

 終末期(ターミナル期)における意思決定の難しさ

1. 選択肢が多様化する

終末期では、緩和ケアや生活の質(QOL)を重視する場面が多くなり、以下のような選択肢が出てきます。

• 「最期は病院?自宅?施設?」

• 「延命治療を受ける?受けない?」

• 「どこまで医療を希望するか?」

• 「残された時間をどう過ごしたいか?」

どれも簡単に決められるものではなく、悩みや葛藤がつきものです。

2. 時間に限りがある

• 急な病状の悪化により、短時間での決断が求められることがあります。

• そんな時、ご本人の価値観や想いに基づいた支援が、後悔の少ない選択につながります。

 意思決定で、「その人らしさ」を支えるために

意思決定の土台になるのは、「その人がどんな人生を大切にしてきたか」という価値観です。

たとえば、

• 「家族と過ごす時間を大事にしたい」

• 「周囲に迷惑をかけたくない」

• 「自然に任せたい」

こうした価値観を知ることが、よりよい選択のヒントになります。

「意思表示」についてはこちらの記事も参考に

終末期(ターミナル期)で、「患者の意思表示が必要な理由

 訪問看護師・介護職の役割

訪問看護師や介護職は、日常の会話や関わりの中から、患者さまの価値観や人生観を汲み取る役割を担っています。

• 「どんな風に物事を決めてきたか?」

• 「どんな生き方をしてきたか?」

• 「今、何を大事に思っているのか?」

といった視点から寄り添い、対話を重ねていくことが、本人の意思を支える大切な土台となります。

 まとめ:一人で悩まないために

終末期の選択は、正解がないからこそ難しく、孤独になりやすいものです。でも、「どんな選択も、その人らしさに寄り添う」という姿勢があれば、きっと納得のいく道が見えてきます。

本人・家族・医療者がともに悩みながらも歩んでいけるよう、意思決定支援の輪を広げていきましょう。

【関連資料】

意思決定支援について詳しく知りたい方は、厚生労働省のページもご覧ください。
意思決定支援の基本的考え方

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バッドニュースの伝え方:SHAREモデルで「つらい話」に寄り添う方法

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