終末期のがん患者の全身倦怠感にどう向き合う?

終末期ケア専門士・訪問看護師の山口です。

ここでは50人以上の在宅看取りをした経験から、学んだことやヒントなどをお伝えしていきます!

今回お伝えするのは、

終末期(ターミナル)がん患者の全身倦怠感にどう向き合う?

〜原因から理解するケアの基本〜です!

終末期(ターミナル期)の全身倦怠感とは?

がん患者によくみられる代表的なつらさ

全身倦怠感(がん関連倦怠感)とは、がん患者が高頻度で訴える「だるさ」や「疲労感」のこと。

特に進行がんの患者では60〜90%に出現すると言われており、がんに伴う症状の中でも最もQOL(生活の質)を下げる要因の一つ。

主な訴え:

• 「だるくて何もしたくない」

• 「眠っても疲れが取れない」

• 「身体が重くて動けない」

この倦怠感は、がんそのものによる身体的な影響だけでなく、

• 抗がん剤や放射線治療などの副作用

• 精神的ストレスや不安

• 睡眠の質の低下

など、複数の要因が絡み合って生じる慢性的な症状。

【重要】終末期(ターミナル期)うつ症状との鑑別も忘れずに

全身倦怠感は、抑うつや不眠、不安など精神的な側面とも深く関わっており、うつ病との鑑別が必須になることも。

「気分の落ち込み」「意欲低下」「自責感」など、うつの主要症状と重なるため、併発している場合もあり、精神症状の評価も並行して観察していく。

特に注意したいのは、「倦怠感がある=がんの進行」と思い込み、抑うつ状態を見逃すしていることも。

【まとめ】終末期ケア(ターミナル)のがん患者の倦怠感には、身体と心の両面からのアプローチが必要

がん患者にとって、全身倦怠感は「見えにくい苦痛」

身体的な要因だけでなく、精神的・社会的な背景も含めてアセスメントし、必要に応じた対応をすることが重要

次回予告

終末期(ターミナル)の がん患者に多い全身倦怠感とは?〜アセスメントをわかりやすく解説〜

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• がん患者や終末期を迎えるご本人

• 痛みケアに悩んでいるご家族

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