【終末期の褥瘡ケア】3つのリスクが重なりやすいからこそ、悪化予防がカギ!

終末期ケア専門士の山口です。

ここでは50人以上の在宅看取りをした経験から、学んだことやヒントなどお伝えしていきます!

終末期医療や在宅看取りの場面では、褥瘡(床ずれ)の発生・悪化リスクが特に高まる。

これは「全身的要因」「局所的要因」「環境・ケア要因」の3つのリスクが複雑に絡み合うから!

そもそも褥瘡とは?

褥瘡(じょくそう)とは、長時間同じ姿勢で圧迫されることにより、皮膚やその下の組織が損傷・壊死する状態。特に圧力がかかりやすい「骨が出っ張った部分(仙骨部・かかと・大転子部など)」に多く発生する。
「床ずれ」とも呼ばれ、高齢者や寝たきりの方に多くみられる。

【褥瘡が起こりやすい人の特徴】
・高齢で寝たきりの方
・意識が低下している方
・自力で体の向きを変えられない方
・栄養状態が悪い方(低アルブミン血症、貧血など)
・失禁がある方(尿や便による皮膚の湿潤)
・痩せている方

【褥瘡の主な症状】
・皮膚の赤み(初期のサイン)
・水ぶくれやただれ
・皮膚が黒く壊死する
・悪化すると筋肉や骨まで達する深い傷に

なぜ床ずれ(褥瘡)はできるのか?その原因を再確認!

褥瘡は以下の3つの要因が複雑に絡み合って発生する。

⒈全身的な原因
・栄養不足(低アルブミン血症、貧血など)
→ 組織修復力が低下し、皮膚が傷つきやすくなる。

・糖尿病や腎不全などの基礎疾患
→ 末梢循環障害、知覚低下などが発生しやすい状態になる。

・加齢や寝たきりによる体力・皮膚の脆弱化
→ 皮膚や筋肉の弾力性が低下し、褥瘡リスクが増加する。

⒉局所的な原因(皮膚や組織への直接的ダメージ)
骨が出っ張った部位への圧迫(仙骨、大転子部、踵など)
→ 骨の出っ張った部分は圧迫によって血流が途絶えやすい。

摩擦・ずれ
→ シーツやベッドとのこすれ、体位変換時のずれによる皮膚損傷。

・湿潤環境
→ 発汗、失禁(尿・便)によって皮膚がふやけ、バリア機能が低下。

⒊環境・ケアの原因
不適切または不足した体位変換
→ 圧力が同じ部位に長時間かかり、組織が壊死しやすくなる。

スキンケアの不足
→ 乾燥や汚れが放置され、皮膚バリアが低下。

・体圧分散用具の未使用・不適切使用
→ マットレスやクッションが適切に選定・使用されていない。

〜まとめ〜

床ずれ(褥瘡)は、全身状態・局所環境・ケアの質という3つの視点から原因を見直し、その一つ一つを丁寧に改善していくことが悪化予防につながる。
特に終末期の方には、無理のないケアで、心と身体の安らぎを優先するケアが大切

次回は、「家族でもできる、やさしい褥瘡予防ケア」もお楽しみに!

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