痛みの本当の正体とは?

こんにちは。終末期ケア専門士の山口です。

このブログでは、50人以上の在宅看取りをしてきた経験から、「痛みとは何か」「どう向き合うか」そして「どうケアするか」について、本人・ご家族にもわかりやすくお伝えしていきます。

「痛みは我慢するもの」と思っていませんか?

実はその“我慢”が、心や体をむしばみ、大切な時間の質

(QOL)を大きく損なってしまう。

だからこそ、痛みのケアは「生きる質」を守るための大切なサポートであると、私は現場で日々実感している。

痛みがQOLを低下させる大きな要因

痛みがあると、

• 思うように体が動かせない

• 不安やストレスが増える

• 他者との関わりが減り、孤立しやすくなる

こうしたことが重なり、活動量の低下やうつ症状を引き起こし、心身のバランスが崩れる

これは、がん患者や慢性疾患のある方だけでなく、健康な人でも怪我や手術などで日常生活に影響が出ることがある

そもそも、痛みとは、どういうものか?

【痛みの分類】種類とメカニズムを知る

痛みは「からだからの大切なサイン」

というのも、痛みは、体に何か異常があることを教えてくれる“大切なお知らせ(サイン)”です。

ただし、その痛みがつらすぎたり、長く続いたりすると、心や体に大きな負担になる。

だからこそ、痛みのしくみを知ることは、痛みをやわらげる第一歩

まず、痛みはどうやって感じるの?

痛みは、次のような順番で「脳」に伝わっていく。

1. きっかけ(痛みのもと)

ケガ、病気、炎症などで体に負担がかかると、「ここが痛いよ!」と知らせるスイッチが入りる。

2. 神経を通って伝わる

そのスイッチは、細い電線のような「神経」を通って、背中の中心(せぼね)を通り、脳に向かって伝わる。

3. 脳で『痛い』と感じる

最後に脳に届くと、「痛い」と感じる。また、「どこが、どんなふうに痛いか」を判断する。

次に痛みの種類を知る。

【痛みの種類】

1. 侵害受容性疼痛(nociceptive pain)

体のどこかにケガや病気、炎症(赤くはれて熱を持つような状態)が起きたときに感じる、いちばん一般的なタイプの痛み

・転んで打ったところが「ズキズキ」痛む

・骨が折れたときに「ズーン」とうずく

・手術のあとに「ジンジン」する

・がんで骨やお腹の内臓に負担がかかって「鈍く痛む」

こうした痛みは、体に異常があることを教えてくれている大切なサイン。

2. 神経障害性疼痛(neuropathic pain)

神経そのものが傷ついたり、うまく働かなくなったりして起こる、ちょっと特別なタイプの痛み。がんの進行や抗がん剤の副作用により、手足の先の細い神経に障害が出ることも。

・電気が走るような「ビリビリ」「ジンジン」

・しびれるような「ピリピリ」した感じ

・触れるだけで「すごく痛い」

・何もしていなくても「ずっと痛い・違和感がある」

このように、普通の痛みとはちょっと違う、不快で説明しにくい痛みが多いのが特徴。

次回は、「QOLを守るための「トータルペイン」の考え方」についてお伝えします。

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