ターミナルケア(終末期ケア)の現場から伝えたい、痛みとの付き合い方
こんにちは。
終末期ケア専門士の山口です。
これまで50人以上の方の在宅看取りに関わってきました。
その中で改めて実感しているのが、「痛み」の大きな影響です。
痛みは、身体の不調だけでなく、心や生活の質(QOL)にも深く関わります。
そして「我慢」ではなく、「どう向き合うか」が、よりよく生きるための鍵と思います。
まずはじめに、医療者側の
痛みケアの4つの基本的な視点を説明。
1.トータルペインの視点でアセスメント(客観的な評価・分析)
→ 「どこに、どんなつらさがあるか?」を丁寧に聞き取る。
2.物療法と非薬物療法の組み合わせ
→ 例:モルヒネなどのオピオイド+マッサージ・音楽療法・呼吸法・アロマなど
3.多職種連携によるチームケア
→ 医師・看護師・薬剤師・心理士・ソーシャルワーカーなどが協力し合う。
4.痛みの緩和は「よりよく生きる」ためのサポート
→ 緩和ケアは「死にゆくため」ではなく、「その人らしく過ごす」ためのサポート。
なぜトータルペインの視点が大切なのか?
痛みのマネジメントにおいて最も重要なのが痛みのアセスメント。
痛みは主観的な体験であり、患者本人にしかわからないため、正確な評価と医療者の信頼関係構築が求めらる。
また、がん患者などの終末期に見られる痛みには、
「からだ・こころ・まわりの環境・気持ちや生き方」すべてが痛みに関係していることがある。(これを“全人的苦痛(トータルペイン)“と呼ぶ)
だから、トータルペインの視点を持つことが重要となる。
▼次回予告
→「トータルペイン」のケアの実践方法をお伝えします。
【この記事はこんな方におすすめ】
・がん患者や終末期を迎える方
・痛みの伝え方やケアに悩んでいるご家族
・在宅ケア・緩和ケアに関わる方
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