終末期ケア専門士の山口です。
ここでは50人以上の在宅看取りをした経験から、学んだことやヒントなどお伝えしていきます!
今回お伝えするのは
食欲不振に対する在宅ケアの工夫7選です。
1. 「好きなものを、少しずつ」
👉ゼリー、果物、プリン、アイスクリームなど、ご本人が「今、食べたい」と思うものを少しずつ。
特に冷たいものを好む場合は、脱水気味だったり、口の中が乾燥していることが多い!
2. 「量」より「味わう」ことを大切に
👉全部食べられなくても大丈夫。
たった一口でも「おいしい」と感じる瞬間が、心と体にエネルギーを与えてくれる
3. 口の中を清潔に保つ
口腔内の乾燥や痛みがあると、食欲がさらに落ちてしまう
1日2〜3回の口腔ケア(スポンジブラシや保湿ジェルなどを使用)で、少しでも快適に。
4. 静かで落ち着ける環境づくり
明るすぎる照明、強いにおい、テレビの音などは、意外と食欲を下げる原因となることも。
落ち着いた照明と、やさしい雰囲気の中で、安心して過ごせる空間を意識しましょう。
5. 「食べられなくても大丈夫」と安心感を伝える
「もっと食べて」と繰り返すと、ご本人がプレッシャーや罪悪感を感じてしまうことがある。
「無理しないで」「今のままでいいよ」という言葉が、何よりの支えになることも。
6. 食事の時間を「楽しみの時間」に変える工夫
「一緒に食卓を囲む」など、食べることそのものが目的でなくてもOK。
“楽しい雰囲気の中にいる”ことが、ご本人の気力や安心感につながる。
7. 「1口でも食べた」ことを大切に受け止める
私の訪問看護経験では、アイスを毎日1〜2口食べただけで、1週間ほど穏やかに過ごせた方もいらっしゃいまいました!
「一口しか食べられなかった」ではなく、「1口でも食べてくれたね」と喜び合えることが、心の支えになる。
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【まとめ】“食べること”より、“心を支えること”がいちばんのケア
終末期には、「食事=栄養補給」よりも、
「食事=心のつながり」として捉えることが大切!
無理に食べさせなくても、ご本人が「自分らしく過ごせた」と思える時間を増やすことが、
最期までその人らしい時間を支える大きな力になる!