終末期ケア専門士の山口です。
ここでは50人以上の在宅看取りをした経験から、学んだことやヒントなどお伝えしていきます!
今回お伝えするのは、
終末期の「口腔ケア」とは?誤嚥性肺炎を防ぎ、最期まで口から食べる力を支える方法です。
まずは、終末期における口腔ケアの目的と実践上の注意点をお伝えします。
終末期において、口腔ケアは単なる清潔保持にとどまらず、患者の生活の質(QOL)や健康状態を大きく左右する重要なケアのひとつ。
口腔ケアの主な目的は4つある。
1. 誤嚥性肺炎の予防
嚥下機能が低下した終末期の患者は、唾液中の細菌を誤って気道へ送り込みやすく、肺炎を発症しやすい状態。口腔内を清潔に保つことで、肺炎の原因となる細菌の増殖を抑え、免疫力や喀出(咳による排出)能力の低下によるリスクを減らすことができる。
2. 「食べる」機能の維持
終末期の口腔内では、乾燥や唾液分泌の低下が起こりやすく、それにより食塊が作りにくくなり、食事が困難になることがある。
口腔ケアによって口内の環境を整えることで、最期まで「食べられる口」を維持することが可能になる。
3. 不快症状の緩和
剥がれた粘膜や痰の付着、口臭、痛みなどは、患者にとって大きな不快感となる。口腔ケアはこれらの症状を軽減し、爽快感や安心感をもたらす効果がある。
4. 会話・発音の維持
口腔内が乾燥すると舌や粘膜の動きが悪くなり、発音や会話がしづらくなる。口腔ケアにより潤いを保つことで、コミュニケーションをとりやすくなる。
実践上の注意点
口腔は非常にプライベートな空間であるため、ケアを拒否されることもある。コミュニケーションが可能な場合は、口腔ケアの必要性を丁寧に説明し、理解と同意を得ることが大切。
また、終末期には原始反射(咬反射・吸啜反射)が出現することもあり、口腔内への接触が難しくなることもある。このような場合には、無理をせず、安全と快適さを最優先にした対応が求められる。
これらを意識した上で、明日は使用物品や対処法などをお伝えします。
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