終末期ケア専門士の山口です。
ここでは50人以上の在宅看取りをした経験から、学んだことやヒントなどお伝えしていきます!
今回お伝えするのは、
「終末期における排便ケアの実際」です。
⒈個別性の高いアセスメント(評価・分析)と対応
排便障害の原因や状態は人によって異なるため、個別の状況に応じたアセスメントが重要。以下のようなアプローチを組み合わせて対応。
・弛緩性便秘:腹部マッサージ、温罨法、活動量の確保
・直腸性便秘:摘便や座位での排便誘導、骨盤底筋への配慮
・痙攣性便秘:緊張緩和、ストレスケア、刺激の少ない食事
・必要時の浣腸や坐薬:排便反射の誘導
・活動量に対して摂取量が多い
⒉便秘薬・下剤のバランス管理
便秘薬や下剤は、効きすぎると下痢になり、効かなければ便秘が持続するため、投与量・種類・タイミングの調整が重要。状態に応じた漸増や併用の工夫が求めらる。
難しい場合は、医師や看護師に相談する。
⒊心理的サポートの視点
終末期の患者は、排泄に対して羞恥心や不安を感じやすくなる。
以下のような配慮が重要。
・排泄ケアの際にはプライバシーを尊重
・「自分で出せた」という自己効力感を大切にする声かけ
・失禁や臭いへの不安を軽減する精神的支援
⒋環境整備による排便支援
排泄しやすい環境を整えることは、自然な排便を促す大切な要素。
・排便しやすい姿勢(座位・前傾姿勢など)の確保
・タイミングの把握(毎朝の声かけや食後の誘導)
・トイレへの動線確保による安心感
まとめ
排便は体調のバロメーター。排便は、私たちが口から摂取した食べ物のうち、体に吸収されなかった不要物を便として体外に排出する大切な働き。体内のデトックス(解毒)に直結しており、体調を保つための基本!
特に終末期における排便コントロールは、身体的な苦痛を和らげるだけでなく、その人らしい最期を支えるケアの一部。
便秘や下痢といった症状に対し、原因の見極めと的確なケアを行うことが大切。
明日は、床ずれや皮膚トラブルについてお伝えします。
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