「心の通うコミュニケーション術」|傾聴・非言語
こんにちは。終末期ケア専門士の山口です。
これまで50人以上の在宅看取りに携わってきた中で、改めて実感しているのが「コミュニケーションの力」です。
今回は、医療・介護の現場で欠かせないコミュニケーションの本質や、傾聴・非言語表現について、患者・ご家族様の視点からもわかりやすくお伝えします。
はじめに
医療・介護における「コミュニケーションの本質」とは?
ケアの質を左右するのは、信頼関係の有無というくらい重要。
その信頼関係を築くうえで大切なのは、言葉だけに頼らない“心の通うコミュニケーション”。
表情・声のトーン・沈黙の使い方など、非言語的な関わりが、安心感と信頼を生み出すこともある。
本当の信頼は、言葉の奥にある「想い」を伝え合う中で育まれていく。
心の通うコミュニケーションについて5つのポイントをお伝えします。
1. コミュニケーションの定義と意義
ただ「伝える」ではなく、「共有・分かち合う」ことが相互の理解を
深め合う双方向のプロセスであり、真のコミュニケーションである!
• 言葉の選び方だけでなく、
• 表情やスキンシップ、
• 声のトーンや間の取り方にも、
ケアする側の想いが宿り、「想い」が伝わるもの!
2. 傾聴スキルの重要性|信頼関係を築くカギ
傾聴=ただ聞くことではない。
・「受容」と「共感」を土台に、評価せず、安心して話せる場をつくることが信頼への第一歩!
・カウンセリング技法も活用
• あいづち
• うなずき
• 繰り返し
• 沈黙
• 感情の反映 など
これらは、患者様やご家族様の気づきを促す力にもなる。
3. 医療者・介護職の関わり方と姿勢
たとえ関わる時間が短くても、「この人は私を理解しようとしてくれている」と
感じてもらえるかが重要。
4. 医療・介護職だからこそできる“気づき”と“観察力”
医療・介護職は、日常生活を共にする存在!
カルテ情報だけでなく、毎日の「小さな変化」から多くの情報を得ることができる。
• 表情や食事量
• ふとこぼした一言
• 生活の中のリズムや好み
こうした“生活の中の気づき”が、質の高いケアの土台になる!
5. 残存能力(強み)を活かすケアの視点
「できない」ことより、「どうすればできるか」に目を向ける視点が大切!
• 小さな成功体験を積み重ねる
• 興味やこだわりを尊重する
• ご家族とのエピソードをケアに活かす
・病気があっても、その人らしさは失われない。
可能性に目を向けた関わりが、QOL向上につながる。
次回は、「心の通うコミュニケーション術」|多職種連携の実践ポイント」をお伝えします。