こんにちは。終末期ケア専門士・訪問看護師の山口です。
これまでに50人以上の方の在宅看取りに関わらせていただきました。
このブログでは、がんによる痛み(がん性疼痛)と向き合うご本人やご家族のために、在宅でも安心して実践できるケアの工夫や、痛みを和らげるための知識をわかりやすく発信しています。
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WHO方式「がんの痛み」5つの治療原則とは?
1. できるだけ飲み薬から始める(By mouth)
飲み薬は在宅ケアでも扱いやすく、継続しやすいのが特徴。
まずは口から服用できる薬を基本にします。
家族でできること:
・服薬時間を一緒に確認
・むせ込み予防に水分や姿勢をサポート
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2. 時間を決めて定期的に飲む(By the clock)
「痛くなってから」ではなく、「痛くなる前に」使うのが大切。
定期的に飲むことで、痛みを予防し、安定した生活を支えます。
家族でできること:
・タイマーや服薬カレンダー服で飲み忘れ防止
・体調や眠気など、薬の効き方や影響を一緒に確認
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3. 痛みの強さに応じて薬を選ぶ(By the ladder)
無理に我慢せず、痛みに応じて薬を段階的に強くしていくのがWHOの考え方。
「弱い薬→強い薬」とステップを踏んで調整。
家族でできること:
・痛みの強さ、頻度や様子を記録
・医師へ具体的な状況を伝えるサポート
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4. その人に合った用量で使う(For the individual)
体格や年齢、腎機能・肝機能などに応じてオーダーメイドの量で調整。
特に高齢者は少量から慎重に開始することが大切。
家族でできること:
・眠気や食欲など体調の変化を日記やメモに残しておく
・「最近眠気が強い」など、気になる症状は医療者へ相談を
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5. 副作用や生活への配慮も忘れずに(Attention to detail)
便秘・吐き気・眠気などの副作用を防ぐケアも大切。
医師・看護師・薬剤師が連携して、快適な在宅生活を支えます。
家族でできること:
・水分や食事、排便の様子を記録
・必要に応じて、下剤や吐き気止めの調整を依頼
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【この記事はこんな方におすすめです】
• 在宅療養中のがん患者さんや終末期を迎える方
• 痛みのケアや薬の使い方に悩んでいるご家族
• 緩和ケアや在宅看護に関心のある医療・介護職の方
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