〜最期まで「食べる喜び」を大切にするために〜
終末期ケア専門士の山口です。
ここでは50人以上の在宅看取りをした経験から、学んだことやヒントなどお伝えしていきます!
今回お伝えするのは、
終末期の食事について〜最期まで「食べる喜び」を大切にするために〜です。
テレビなどで、「亡くなる前は食べられなくなる」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
これは病気の進行により、口や喉の筋力が衰え、噛む・飲み込むといった動作が難しくなる。
その結果、食べ物が誤って気道に入る「誤嚥」を起こしやすくなり、誤嚥性肺炎のリスクも高まる。また、唾液などでも誤嚥する時がある。
以下、誤嚥予防しながら、食べる喜びのポイント4つをお伝え。
1.誤嚥予防には食事への工夫
終末期でも、少しでも「食べる喜び」を感じられるように工夫することができる。
たとえば、
・食材にとろみをつけて飲み込みやすくする
・高カロリーゼリーや栄養補助食品など、少量でエネルギーが摂れるものを選ぶ
・どうしても食べられない場合は、スポンジにジュースを染み込ませて「味覚」を楽しむ
といった方法がある。
私の経験では、肉を食べたいと望んだ方が、飲み込むことはできなかったものの、噛むことができたことに喜ばれていた。
2.無理に食べさせないことの大切さ
「食べること=生きること」と考えがちだが、無理に食べさせようとすることでかえって苦しみを与えることもある。
食べられない日があるのは自然なことであり、ご本人の身体や意思がそう望んでいるのだと受け止めることも大切。
3.最期の一口を大切に
人生の最期に何を口にしたいか。どのようにそのひと口を迎えたいか。あらかじめご本人やご家族と話し合い、その瞬間が訪れた時に備えて準備をしておくこともとても大切。
4.食べられることの喜び
お腹が空いて、何かを「美味しい」と感じられることは、実はとても素晴らしいことであり、当たり前ではない「幸せな時間」であることを再認識する。
〜まとめ〜
最後まで食べられる喜びは、また続けられる