高齢者や重い病気を抱えている方、特に終末期(ターミナル期)には、「食べづらい」「飲み込みにくい」といった嚥下障害(えんげしょうがい)がよく見られる。
終末期(ターミナル)に飲み込みづらくなる主な原因とは?
1. 全身の衰弱や筋力低下
終末期(ターミナル期)には、体力が大きく落ち、飲み込む力(嚥下筋)も弱くなっていることが多い。特に首・のど周りの筋力低下が影響する。
2. 薬の副作用
眠気や口の渇きなど、薬の影響によって飲み込みづらくなることもある。緩和ケアで使用される薬剤はほとんどが眠気がでるため医師や薬剤師に相談を。
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【終末期(ターミナル)】ご本人・ご家族にできる5つのケア
1. 飲み込みの状態を観察しましょう
・いつ・どんな食べ物で飲み込みにくさが出るかを記録する
・「のどにつかえる」「口に残る」「酸っぱい味がする」などの訴えにも耳を傾ける
・食前後に痰(たん)が絡む場合、誤嚥の可能性があるため注意が必要
⒉ 食事前に少し会話をする
・口を動かすことで、嚥下(えんげ)の準備が自然と進む
・笑顔や表情づくりも、口まわりの筋肉をほぐす良い体操になる
・ 声が出づらい場合は、口パクや舌の動きだけでも効果がある
⒊ 食事中の姿勢を工夫しましょう
・できるだけ椅子や車椅子に座って食べる
・ベッド上では背もたれを45~60度に上げ、クッションで体の傾きをクッションで調整する
・口の周りや喉のところを軽くマッサージする
・食後すぐに寝かせず、30分~1時間は上体を起こしておくことがポイント!
⒋ 飲み込みやすい食事に変えてみましょう
・ゼリー状、ペースト状のやわらかい食事(離乳食)を中心に
・言語聴覚士や管理栄養士と連携して、安全に栄養をとれるよう調整しましょう
⒌ 口腔ケアとアイスマッサージ
・口の中を清潔に保つことで、誤嚥性肺炎を予防できます!
・冷凍庫で、冷たく冷やした綿棒やスポンジブラシで舌・口内をやさしく刺激する「アイスマッサージ」も、飲み込みをサポートする方法のひとつです!
⒍ 精神的なサポートも大切に
終末期では「無理をしてでも食べる」よりも、「食べたい気持ちをどう支えるか」が大切。
小さな一口でも、その人らしい最期を支える大きな意味を持ちます!
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まとめ
終末期に「飲み込みづらい」と感じたときは、身体的な原因と薬の影響の両面を考え、姿勢・食事・口腔ケア・気持ちのサポートを組み合わせたケアが大切になってきます。
ご本人の「食べたい」という気持ちに寄り添いながら、安全に食事ができるよう、できることから始めてみましょう。
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